平成がもう間もなく終了しようとしています。

平成という時代は30間ありました。
その前の昭和は64年間ありました。

昭和って長かったのですね。
今回は昭和のマーケティング、当時は製菓会社が面白い施策を実施していた戦略をご紹介します。

製菓会社 昭和の名前マーケティング


昭和のお菓子、製菓会社はどのような戦略で製品を売っていたのか?
早速見ていきましょう。





昭和 日本の人口推移

昭和の製菓会社のマーケティングの前に、昭和の人口推移について見てみます。

以下の図は、1872年から1992年の日本の人口推移のグラフです。
戦後、高度経済成長と共に順調に日本人の人口が増えているのがわかります。

<日本の人口推移>
キャプチャ



注目していただきたいのは赤字枠内で、今回の昭和マーケティングのお話はこの中のこととなります。





日本で多い苗字

続いて、日本人の苗字はどんなものが多いのでしょうか?
結果は、以下の通りです。ピンク文字のところに注目していてくださいね。

1位 佐藤 およそ1,887,000人
2位 鈴木 およそ1,806,000人
3位 高橋 およそ1,421,000人
4位 田中 およそ1,343,000人
5位 伊藤 およそ1,081,000人
6位 渡辺 およそ1,070,000人
7位 山本 およそ1,057,000人
8位 中村 およそ1,051,000人
9位 小林 およそ1,034,000人


皆さんのお友達や職場の方にも必ずいる名前があったのではないでしょうか?

マーケティング女子






製菓会社 昭和の名前マーケティング

1980年代は、日本は人口が順調に上昇していました。
日本の苗字で多いのは、佐藤、鈴木、田中、山本でした。

さて、それでは本題に入りましょう。
時は1980年代、製菓会社からある2つの製品が販売されました。

1つ目は、
 エスビー食品 佐藤くん 田中くん 

エスビー食品 佐藤くん 田中くん 画像 
鈴木くん、佐藤くんは、1984年からエスビー食品(S&B食品)から販売されていた網状の形の軽い食感が食べやすいつもお世話になっております。スナック菓子でした。

ラインナップは、以下の苗字が販売されました。

・「鈴木くん」が塩味
・「佐藤くん」がチーズ味
・「田中くん」コンソメ味
・「山本さん」サラダ味


学校のクラスメートにいそうな佐藤くん、鈴木くんと、田中くん、山本さんと、よくある日本人の苗字をお菓子の名前につけたのは親しみやすくエスビー食品のうまいところ。

エスビー食品の名前スナック。先にご紹介した日本人の名前ランキングTOP5のものばかりなのはお気づきになれたでしょうか?

マーケティング女子



エスビー食品 鈴木くん 佐藤くんのお菓子については、懐かしむんをご覧ください。



2つ目は、
 カネボウ はんこください!!

 カネボウ はんこください!!

はんこください!!は、カネボウから1980年に販売されていたチョコレート菓子です。

お菓子の箱をあけたら、「田中」「すずき」「ケイコ」など漢字、ひらがな、カタカナとバリエーション豊かな名前のはんこチョコがたっぷり。

自分の名前や友達の名前、家族の名前を探すのが楽しいお菓子でした。

名前を探す楽しさ体験から、何度もリピートされるお菓子の一つでもあったのです。

カネボウのはんこください!!。こちらも同様に日本人で多い苗字・名前が使われています

マーケティング女子



カネボウ はんこください!!については、懐かしむんをご覧ください。


エスビー食品、カネボウの両方のお菓子もヒット製品となりました。
その製品販売においてのキーワードはいずれも名前でした。


つまり、昭和1980年代でこの名前マーケティングが叶った背景は、

<データ観点>
●日本の人口が増加していた
●日本人に多い名前は、佐藤、鈴木、田中、山本である。
●佐藤、鈴木、田中、山本は、漢字がシンプルで小学生も読める。


<マーケティング観点>
・日本人に多い苗字・名前=人口が多い(増えている)
→佐藤、鈴木、田中、山本という苗字の人は製品を買うだろう。

・必ず身近にいる
→自身あるいは身近にその名前の人が必ずいる。親しみを持って製品を買うだろう。

名前を探す楽しさ
カネボウにおいては、自身の苗字・名前だけではなく、知り合い友人の苗字・名前を探すという楽しみを付加できる。

・リピート作戦
カネボウにおいては、いろんな名前のはんこを探したいという思いから、製品購入をリピートする可能性がある。

という上手い名前マーケティングが施されていました。
これは平成である現代においては、人口、トレンド、名前の多様化、若者の嗜好の変化などで、同じことをやっても上手くいくとは限りません。
この昭和の時代だからこそ実現できた販売戦略であったかもしれませんね。


まとめ

人口が増加、名前の一定性があった昭和においては、この特異性を生かして製品販売することが出来た。現在においては人口減、個人の個性が重視されているため、同様のマーケティングでは上手くいかないであろうが、場合によっては名前マーケティングもビジネスに活用できる可能性はあるかもしれない。



明治製菓、ロッテ、森永製菓など、古き懐かしきお菓子たちをイラストでご紹介!
懐かしむん







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